伊藤たかみ
二卵性双生児の双子が主人公。ミカとユウスケという男女の双子。彼らは今小6。ケンカが強くて「オトコオンナ」と言われても平気で笑っているようなミカが少しずつ女へと変わってゆくありさまが、ユウスケの目を通してかかれている。小学館児童出版文化賞受賞作


か、関西弁? しかもここまでベタベタな…! と最初にちょっと驚いた。作者は兵庫県出身なので、嘘っぽい関西弁では決してないけど、名古屋弁育ちの私にはちょっと読みづらいというか、会話のリズムにうまくのれなくて残念だった。この物語の文章は、きっと会話だけでなく、地の文も関西弁のリズムでかかれているんだろうなと思う。言葉のリズムって大切なのよ。特に文字を音声化して読むタイプの人間には。
で、本題。
小学生から見た性(特に女性としての性)が面白いというか新鮮だったかも。6年生、言い換えれば12~13歳ぐらいだろうか。特に女の子は身体がはっきりと変化して、なのに心は子供のままというアンバランスな時期。それを敏感に感じる子もそうでない子もいるけど、そのあたりがクリアに描かれている。
ミカたち双子を取り巻くのは、クラスメートだけでなくて、別居中の両親(今双子たちは父と暮らしている)、高校生の姉、それから影のように登場する父の恋人、姉の彼氏。異性に興味を持ち始める年頃から、そのことしか眼中にない年頃、さらに失敗を重ねて幻滅すら抱きかけている年頃まで各種取り揃えております、という感じ。
そうそう、もう一人(?) 謎の生物「オトトイ」というのが登場する。これは最後まで正体はわからないままで、一つわかるのは酸っぱいものが大好きということ。小道具としてオトトイは便利に活用されている。
読み終わった後は、そうだなあ。何一つ解決してないけど、これで本当に物語を終わったことにしていいんだろうかということ。だって、この話の中でかかれているのは変化だけだから。
……と思っていたら、これには続編があるのを思い出した。「ミカ!×ミカ!」。やっぱりそうでないとね。もちろん、ミカ×ミカだって、解決がないまま終わっている可能性はあるけど……。

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