カレン・ヘス (訳/伊藤比呂美)
先週のエレクトーンフェスティバルの会場のすぐそばに図書館があって、そこで見つけた本。立ち読みしたら妙に心にひっかかり、地元の図書館にもあったので即借りに行ってきた。
舞台は、1924年のアメリカ、ヴァージニア州。年齢も性別も立場も人種も違う11人の人々が語るある事件の話。その事件というのは、KKK(キュー・クラックス・クラン)が町にやってきた! 
ちなみにアメリカにとって、1924という年は、大恐慌の5年前、第一次世界大戦で大もうけして、日本でいうとバブル黄金期にあたる。


シナリオを読んでいるような、不思議な小説。11人の証言によって、KKKが町に来てから出て行くまでの一連の事件がつづられている。
なんだか、「ツインピークス」を思い出してしまった。あれも好きなドラマだったなぁ。
中心になるのはアフリカ系アメリカ人の女の子(12歳)とユダヤ人の女の子(6歳)。どちらも母親を無くしている。ユダヤ人の女の子はニューヨークから引っ越してきて、農場を経営している独身女性のところに同居している。
あるとき、町にKKKがやってきて、町の住人を巻き込み、純粋でないアメリカ人(=白人でなく、プロテスタントでもない)を排除しようとテロまがいの活動を始める。アフリカ系アメリカ人やユダヤ人は当然標的。実際に彼らは危ない目に遭うのだ。
結局KKKは追い出されるようにして町から出てゆくが、彼らが引き起こしたバカ騒ぎのおかげで、人々は心のうちに潜んでいた差別を強烈に知る。
ひとつ感じたのは、テロは今に始まったことではなく、ずい分昔、違う文化同士が出合い、衝突するようになった時から始まって今なお続いているということだ。
そしてアメリカという国の差別と寛容が複雑に入り混じっている、その理由を垣間見た気がした。

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