上橋菜穂子
これは「精霊の守り人」の続編。女用心棒のバルサが、20数年ぶりに生まれ故郷に戻り、自分が国から追われることになった事件の真相を義父の関係者に伝え、同時に故郷の秘密を知ることになる話。


感じたままをはっきり言うと、「精霊~」の方が物語として面白かった気がする。
たぶん、人間の暮らす世界「サグ」と精霊の住む世界「ナユグ」という世界設定がよかったのだと思う。それだけでなく、バルサの惚れ惚れとするような戦闘シーンが圧倒的に多かった。
「闇の~」になると、槍さばきによる戦闘ではなく、政治的駆け引きと心理的な戦いが比重を増やす。それはたとえば、育ての父ジグロの一族内の力関係だったり、王と臣下の共謀関係だったり、バルサとジグロの口には出せなかった葛藤だったり。そういう絡みのストーリーが好きな人には面白いだろう。
また、バルサの生まれ故郷であるカンバル王国ではサグとナユグという概念はないが、代わりに「地の民」と「山の民」という言葉があって、どうもそれがサグとナユグにあたるような書き方がされている。それはそれで魅力があり、特にクライマックスで「山の王」が現れるシーンは神秘的で圧巻だけども、自分的には精霊の卵を守る戦いの方が面白い。
さて、これで3作目の「夢の守り人」はどんな話になるのだろう。

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