4775401165 どこにもない国―現代アメリカ幻想小説集
柴田 元幸
松柏社 2006-06

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とても面白かったです。この本に納められているのは、あくまで幻想小節であって、ファンタジーではありません。これ読んで、FTより幻想小説の方が性に合っているような気がしてきました。


収録作品は次のとおり。
編訳者の柴田氏によれば、ここ20年ぐらいの間にアメリカで書かれた幻想小説のうち、特に気に入ったものを集めたということだ。たしかにどれも読後感が強烈だ。どこでもない空間での話であるからこそ、どこででも起こり得るという恐ろしさがある。
エリック・マコーマック「地下堂の査察」
ピーター・ケアリー「“Do You Love Me?”」
ジョイス・キャロル・オーツ「どこへ行くの? どこ行ってたの?」
ウィリアム・T・ヴォルマン「失われた物語の墓」
ケン・カルファス「見えないショッピング・モール」
レベッカ・ブラウン「魔法」
スティーヴン・ミルハウザー「雪人間」
ニコルソン ベイカー「下層土」
ケリー・リンク「ザ・ホルトラク」
どの作品も、物語空間が現実から微妙に(時には大幅に)ずれていて、そのズレから得体の知れない闇がのぞいているのがわかる。どれほど科学が自然法則を解明しようとも、この世界は永久に不可解なことだらけなのだと思い知らされる。

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