同級生―はるかな時空をこえて
横山 充男
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この作者の作品の中では、かなりマイナーな存在のようだが、個人的に興味があって読んでみた。
だって、一組の恋人がはるかな時空をこえて再びめぐり会う話ですよ?


壮大なようで、ひどく局所発生的な、読んだ後に奇妙な感じがのこる話だった。
その昔、南国の島で悲しい別れをした恋人同士が現在の日本で同じ日に生まれ、再会を果たすという筋書き。最初の再会はなんと幼稚園時代。そこでいったん別れ、また出会うのは5年生のとき。5年生の二人が自分たちの過去を知るべく、距離的にはちょっとした、でも精神的には大きな冒険をする。キーワードは「コスモスの花埋み」
学校での話題に当時流行っていたファミコンが登場するが、話の進み方は、まるでRPG。ある条件がそろうとイベントがおこったり次の場面へ行ける、みたいな進み方。作者もたぶんそれを意識したのでは、と感じられるふしがある。
とてもロマンチックな題材だし、小道具や背景(海に面したいちめんのコスモス畑!)も充分に雰囲気を盛り上げているのに、キャラクターは妙にクールだったなあ。
男の子がクールを装うのはよくわかる。でも女の子、変に大人びてません? 小学校5年生といえば、うちのお嬢さんと同じ年。うーん。
生まれ変わり&めぐり逢いを書くって、しかも小学生とリアリズム風な世界を使ってやるのは難しいと感じた。いや、どんな手法を使ったって、どこかにうそ臭さは残るような気はするのだけど。いっそセラムンぐらい開き直って仰々しくやってくれたら。(苦笑)
読み終わってみて、どうしてこの作品がマイナーなのかよくわかった。でも、これなくしては「水の精霊」シリーズは生まれなかったのではとおもう。「水の精霊」に登場する「ふた咲きの花」の原型がここに出てくる二人だから。

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