さて、1作目の興奮さめやらぬままに、2作目をレンタルしてきて見る。お目当てはもちろん鍛治屋の青年。
おお、めでたい結婚のシーンから? と思ったらいきなり失脚&逮捕劇へ。しかも前作のエンディングを逆手にとったイヤーな展開。これでは否応無しに続きが見たくなる。そして前作をしのぐ波乱万丈のすえ、ついにラストシーン。でも物語は終わらない。(涙)
映画館に行けってことですか? 


前作では主役級クラウン(道化)だったスズメ船長、今作では堂々と主役を張っている。つまり、スズメ船長の本物の危機なのだ。
そこに、同時に白鳥嬢&鍛治屋青年の危機と白鳥嬢の父、つまり総督の危機が微妙に重なりもつれ合いながら話が進む。
本物のワルが登場するんですな。
「東インド会社」の名のもとに、野望を抱いてイギリス本国から植民地へやってくるヤツが。彼は「海賊を取り逃がした」という理由で、総督と提督、つまり白鳥嬢の父と元婚約者を追い出しにかかる。
同時に海の底ではスズメ船長の命を握る怪物が動き始める。
サブタイトルに登場する「デッドマンズチェスト」がどちらのワルにも深く関わっているようで、前半ではその鍵を求めて大騒ぎ、後半ではチェストの中身をめぐって大騒ぎ。騒ぎは収まらないまま3作目へ続くというわけで。
お目当ての鍛治屋青年はたっぷり堪能できて満足v この役を演じているブルームさん、アクションシーンになると特に生き生きとしているみたい。飛んだり跳ねたりの演技が、真剣なんだけどすごく楽しそう。
それから元婚約者ことノリントン氏、今回は実にワイルドで素敵。性格的には破綻してるっぽいけど、頭の切れはピカイチ。そういうキャラ、好きだなぁ。
さて、今回のお気に入りシーンをピックアップしてみると…
その1:
ある島で原住民につかまり、いけにえにされかかったスズメ船長およびクルー(含む鍛治屋青年)が脱走するシーン。
クルーは谷間に吊るされたカゴの中に囚われており、一見逃亡は無理。しかし。彼らはなんと、巨大空中ブランコをやってしまった。少しづつゆれを大きくして崖に張り付こうという魂胆。
何がすごいかって、そのBGM! 
ウィンナワルツですか? 小汚い海賊どもが命がけで人骨のカゴから逃げ出そうとする時に?
もちろん、これが「200×年宇宙の旅」へのオマージュだってことは……(本当かいな?)
そのころ、船長はブタの丸焼きよろしく、棒にくくりつけられ火あぶり十秒前。そこへ「囚人脱走」の報が届き、原住民たちはいっせいにそちらへ向かう。そのすきに船長はどうにか逃げ出すのだが、途中で見つかり大乱闘。これがあり得ないほど馬鹿馬鹿しくて、「トムジェリ入ってますか?」とつぶやいてしまった。
実はこのあと、シリアスなシーンが息継ぐ間もなく続く。
その2:
鍛治屋青年がスズメ船長の口車に乗せられ、「フライング・ダッチマン」(どこかで聞いたような? ワーグナーかな)に乗り込んだあとのあれこれ。まるでス☆ーウォーズのような(?)父子再会はさておき、いきなり幽霊船のジョーンズ船長に賭けを挑むところ。自分の魂を賭けて鍵を狙うとは、無謀にもほどがある! が、無謀と見せかけて勝機を狙うという鍛治屋青年らしさがよく出ているところでもある。
あっさり賭けに負ける青年だが、実は勝負はどうでも良く、肝心なのは、本当に船長が鍵を肌身はなさず持っているのか、もしそうだとして、どこに隠し持っているのかを確かめることだった。さらに賭けの結果はどうであれ、鍵を盗んだらさっさと逃げ出す腹づもりでもあったらしい。いやはや、立派な海賊ですわ。
ところが逃げる間際に、父親と約束してしまう。「”デッドマンズチェスト”を探し出し、かならずあなたを助け出す」と。こういう真っ当さもこの青年らしい。
そうそう、鍛治屋青年がジョーンズ船長からチェストの鍵を盗み出すとき、オルゴールが非常に重要な役割を果たす。うん、思わず「やられた!」とつぶやいてしまった。塩で錆びつかないのか、というヤボな突っ込みはナシってことで。
その3:
チェストが埋められていた島での大乱闘。スズメ船長、白鳥嬢、白鳥嬢の元婚約者、そして鍛治屋青年と、すっかり役者がそろい、無事にチェストが見つかり、鍵も手に入ったのはいいが、ここでチェストの中身をめぐって三つ巴。スズメ船長、元婚約者、鍛治屋青年はそれぞれに違う事情があってチェストの中身を求めている。三人の利害は一致しない。おまけに、個人的な恨みもある。で、三人は互いに剣を交えることに。その有様は、まるで犬のケンカですな。白鳥嬢が止めに入ろうとしても、まるで受け付やしない。しまいには彼女、あきれ果ててそっぽを向いてしまうという始末。このカメラアングルがもう絶妙で、「男どもの馬鹿な殺し合い」をいくぶんシニカルに見せている。そのスキに肝心のチェストが盗まれるのはお約束。
ちなみにこの勝負、いったんはスズメ船長の勝ちと見せかけて、後からそうではないことがわかる。なかなか心憎い演出。
その4:
ラスト近く、巨大イカことクラーケンに襲われたブラックパール号が沈没する間際の、白鳥嬢とスズメ船長のやりとり。詳しくは書かないが、これには本当に意表をつかれた。二人のやり取りをちらりと見てしまう鍛治屋青年の視線もナイス。え?と思った瞬間にはもう人に邪魔されて見えなくなってしまうのだから。
そういえば、白鳥嬢、1作目でも恋人の命を救うため、自分の将来を提督に捧げることにしたんだっけ。結局そうはならなかったけど。本当に強いお嬢さんだ。そんな彼女をスズメ船長は「この海賊が……!」と賞賛する。(もちろん半分は皮肉)
ブラックパール号に取り残された船長は、堂々とクラーケンと渡り合う。ここは正真正銘格好良かったな~。
番外編:
前回の悪玉だったリンゴ船長がほんの1カットだけ登場する。が、その登場の仕方がねえ(笑) 美味しそうに青リンゴかじって、これから活躍するぞってところで切れている。これで3作目を見ずにいられようか。

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