4811378059 あした地球がおわる
後藤 みわこ せきね ゆき
汐文社 2003-11

by G-Tools

隕石衝突が地球滅亡の引き金を引く話と知って、とにかく読んでみたくなった本。設定は地球規模なのに、破壊された街や避難所の校舎が崩れてゆく描写は肌身に伝わる細かさ。すごいです。


隕石衝突という設定は、それこそ掃いて捨てるほどあるけれど、この話ではそれに一ひねりもふたひねりも手が加えられていて、なーるほどと唸った。
隕石が月に衝突して、月は砕けてハート型になり、月のかけらが地球を襲うなんて! もちろんそれだけでは終わらず、その後コンピューターが勝手に全面戦争を始めて……という世界。(このタイプの終末戦争はよく見るけれど)
主人公は偶然(といっても、それぞれにワケアリ)生き延びた4人の子どもたち。それぞれに個性と事情があって、一番意外性があったのが語り手役のコウ、かな。
4人のほかに生きている人間が何人いるのか、手がかりがほとんどないという、ものすごく暗い世界で話は進む。正直なところ、読み進めるのが苦しくもあったが、でも奇妙に止められなかった。どうして止められないかというと、男の子二人の関係から目が離せないからで、この二人、今後どうなってゆくんだろうという興味が読み進める原動力になった。
作者はのちに「ボーイズ イン ブラック」とか「ぼくのプリンきみのチョコ」など、BLの匂いが濃厚な作品を書くのだけど、その芽はすでに初期のこの作品からあったらしい。ただ、「ボーイズ…」や「ぼくの…」では、雰囲気がすっかりコメディっぽくなり、作品の空気だけ比べると同じ作者とは思えないほどの変貌ぶり。それはそれでまたすごいと思う。

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