4591101487 アート少女―根岸節子とゆかいな仲間たち (TEENS’ENTERTAINMENT 2)
花形 みつる
ポプラ社 2008-04

by G-Tools

※表紙画像がまだ配信されてないみたいです
熱帯雨林さん、早くしてくれい。

1週間ほど前に紹介したアンソロジー「Fragile―こわれもの」に収録されていた「アート少女」の続編。期待を裏切らない無茶苦茶な面白さ。
かつて栄光を誇った美術部も今や部員4名、部室ナシの弱小部。しかしその4人は強烈な個性の持ち主。
暴走部長の根岸節子、ちゃっかり屋で辛らつな狩野芳子、オタク少年の梅原龍之介、かろうじて引きこもりを免れている青木繁生。
そして今回新たに加わったのが、突き抜けたオシャレ少女、草間さつき。部員ではないが強力な助っ人として元野球部キャプテンの黒田清隆などなど。
(と、ここまで紹介すればわかる人にはピンと来るだろう。キャラの名前がおおよそどこから来ているか)
彼らが部の存続をかけて、今回もギリギリの活動を繰り広げる。しかもロケット花火をぶっ放すよりもさらにアート味があり、なおかつ創造性/想像性あるイベントを展開。もう最高。


中学生って、ほんとにパワフルでおバカだったなぁと、甘酸っぱい思いもよぎるが、とにかく楽しかった。
ところどころにちらりと顔を出す美術史のうんちくにニヤリとし、イベントの仕掛け方とか、障害の出し方とか、部員同士の微妙な距離感に感嘆し、作者の手の平の中で、安心して心を遊ばせられた。エンタメはこれでなくちゃね。
自分のためにも根岸語録(?)からお気に入りをひとつ抜粋。
「仕事というのは自分の趣味で描くものじゃなくて、クライアントのために、しかも報酬に価するだけのものをつくりあげることなのだ」
中学生にしてそこまで悟るか!
そうだ、「部員4人の弱小部」という状況に対してやけにデジャヴュを覚えると思ったら、高校のとき、自分が部長をやっていた音楽部がまさにそうだった。廃部の圧力こそなかったけれど、いろいろありましたなぁ……(遠い目)。だから余計に根岸節子に同調しちゃうんだ。

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