4062850265 風のラヴソング 完全版 (講談社青い鳥文庫 271-1)
中村 悦子
講談社 2008-05

by G-Tools

懐かしい昭和の匂いがする。
京都の言葉を名古屋弁に置き換えたら、ほとんどそのまま、管理人の子ども時代の空気と重なる。
はかなさと強さが奇跡的なバランスで同居してる短編が詰まっていて、各々がこれまた絶妙なつながり方をしている。そして必ず絵のような美しいシーンがある。


どの短編も味わい深いが、その中でも「なれてるお父ちゃん」が一番すき。怒りのあまりテレビを壊すほど恐いけど、そのあとで、電気屋を泣かせの値段で新品のテレビを買い叩き、得意げに居間にすえるところがいい。
愚かで暴力的でどうしようもなくて、でも必ずどこかに救いがあるのが人間だなぁとしみじみする。
キャラクターでは太陽がピカイチにかっこいい。松任谷由美の「ダウンタウンボーイ」を思い出したほど。
裏表紙の紹介文には「第45回文化庁芸術選奨文部大臣新人賞、第27回日本児童文学者協会新人賞ダブル受賞の名作に未発表の1編を加えた完全版」とある。
すごく納得した。

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