※本の紹介ではありませんが、本についての語りなので区分は読書記録にしてあります。
先日、拙ブログの常連さんとチャットでスカイクロラの謎について語り合った。このシリーズは時系列が入り組んでいて、誰がいつ何をしたのかわかりそうでわからない。小学生のころ、鶴とカメの足の数からそれぞれ何匹いるか、なんて計算で苦労したが、その時の感覚と何故か似ている。
たっぷり3時間かけて検討した結果、導き出されたのが以下の答え。ジョークのわかる方限定ということでよろしく。

その節はお世話になりました、めりるさん。


このシリーズには、何度読み返しても理解できない不思議な謎がいくつかある。
まず、クレイドゥザスカイにおいて、最初はクリタだったはずの「僕」が逃避行をするうちに、いつの間にかクサナギになっており、さらにエピローグではカンナミになっている謎。エピローグは後日譚風なので許せるとしても、クリタとクサナギはいつ入れ替わったのか、よほど注意深く読まないと特定できないし、タイミングがわかったとしても、必然性がわからない。
また、スカイクロラにおいて、カンナミはクリタの後任としてウリス基地に来るが、そのときクリタはどこで何をしていたかという問題もある。病院で療養していた可能性は高いが、その後、実際にクサナギに撃たれているようだし、だとしたらクサナギはいつクリタを撃ったのかという疑問がわく。
もうひとつ気になるのが、スカイクロラではクリタ=カンナミが示唆されているにもかかわらず、続きを読んでゆくとむしろクリタ=クサナギという線が浮かんでくることだ。おまけに3人とも別の個体として考えないと話が成り立たない。
この数々の理不尽をどうしたものか。まるで夢でも見ているかのような脈絡のなさ、現実感のなさ。おまけに実質的な最終話であるスカイ・イクリプスの最後が
「夢のようだわ」
「そう……、夢のようだね、なにもかも」

で締められている。もしかしてこの物語自体が誰かの夢だったのか。
ところでシリーズを通して、思い出したかのようにたまに現れる、ソマナカという記者がいる。彼は仕事上の立場をこえてクサナギに興味をいだき(自分ではファンと言っている)接触するも、すげなく追い返される。クリタもカンナミにも接触をはかるが以下同文。
彼だけ異質なキャラクターだ。まるでキルドレたちが嫌う大人の典型。
取材といいながら、やたらとクサナギに自分の考えを話したがる。「君は利用されているだけだ、社会の本当の姿は……」という具合で。でも彼の話は決して終わりまで語られることなく拒絶される。
読者的には彼だけが社会の姿(=物語の外枠)を語ってくれそうなのに、いつも話は尻切れトンボ。彼はいったい何者なんだ?
ということで、チャットの最中に浮かび上がったのが、「ソマナカ=作者」説。某映画監督のごとく、自分を作品中にチラリチラリと出している。それが単なる端役でなく、主人公に説教しかけては拒絶される役というのが面白い。
ここでいきなり結論:スカイクロラシリーズは、ソマナカの見た壮大な夢だった。
ええ、夢オチですとも。夢の世界ならどんな「僕」にもなれるし、その姿は変幻自在だからね。
まあ、実際には「スカイ・クロラ」だけで物語世界が完結していたのに、あとから割り込む形で続編を作ったから歪みが出てきたというところだろう。

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