4062148498 RD 潜脳調査室 Redeemable Dream
秋田 禎信
講談社 2008-08-05

by G-Tools

小説版です。ただし、時系列は波留が目覚める前で、登場するのは久島を除いてオリジナルキャラばかり。それでもやはりRDの世界には違いなく。メタルを開発したものの、うまく共存できなくてあがいている人工島の人々に焦点が当たっている。アニメ版でミナモの存在がちょっとなぁ…という人にはおすすめかもしれない。


完璧な仮想現実世界を提供するメタルという設定はなかなかトリッキーだ。仮想世界を極めたら現実世界にわざわざ身をおく理由を失ってしまうし、現実を信用できなくなる。言い換えれば生身の身体を棄てても構わないとさえ思うようになる。もっとも実際に身体を失うと、たいていメタル内の自意識もよりどころを失って消失してしまうようだが。
身体を失うべきではない理由を、現実世界に視点を据えて描いているのがRD本編で、メタル側から負の視点で描いているのが小説版(プロ作家による二次創作とも言える)ではないか。
電脳調査事務所所長の笠居の指摘が印象的だった。
メタルは現実世界の鏡でしかない。メタルに問題があるのではなく現実の問題を反映しているにすぎないという指摘。世の中のゆがみは道具のせいじゃなく、ゆがみはもともと人間の中にあるという話だね。

広告