4062582910 対称性人類学 カイエ・ソバージュ (講談社選書メチエ)
中沢 新一
講談社 2004-02-11

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先日読んだ「狩猟と編み籠 対称性人類学Ⅱ」の前編にあたる本。やっぱり面白かった。本来は5冊シリーズなのだが全部に目を通すのは時間的につらいので、てっとり早く最終巻、すなわちまとめの1冊に手をつけた。もちろんこの1冊だけでも充分理解できるように書かれている。
内容は宗教、経済、哲学など広範囲におよび、しかもそれらの近代化はひとつの原理で説明できるという非常に興味深い論が展開される。


人の心の基体は無意識と呼ばれる領域である。というのが大前提。「野生の思考」とも呼ばれる無意識をどう扱うか、その変遷が近代化の歴史でもあるのだという。
ヨーロッパで発達した一神教は無意識を抑圧し、インドで発生した仏教は無意識の探求に力を注いだ。近代化された社会が行き詰まりを見せる現代、人類がよりよい方向へ進むには仏教の考え方に大きなヒントがあると著者は考えている。
無意識の世界を日のあたるところへ出し、その上で現代を支配している一神教的な考え方と融合させ、発展させる必要があるのだと。
さて、次は「熊から王へ カイエソバージュⅡ」を読んでみるかな。熊は森の王であり、自然の神秘を背負った存在としてみなされてきたそうだから。

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