4265072135 時の裂け目に鬼が舞う 霊少女清花 2 (2) (YA!フロンティア) (YA!フロンティア)
陸原 一樹
岩崎書店 2008-09-25

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面白かった~。気持ちいいぐらいサクサクと話が進んで一気に愛憎渦巻くクライマックスへ。舞台は平安朝、晴明亡き後の安倍の屋敷。まるで質のいい長編アニメを見ているような面白さだった。
精神感応者(テレパス)や精霊などが登場するのだけど、彼らの設定がすごくわかりやすく説明されてて、あっという間に物語の中へ飛び込める。
小学生の時に出会いたかったな、この話。そうしたらもう、ラストの鬼との対決のシーンはハンカチなしでは読めなかったと思う。


シリーズの2巻目なので、主人公の清花(さやか)と七凪(ななぎ)はすでに常連扱いで、彼ら本人ついての詳しい描写は省かれ、最初の章に背景があっさり書かれているだけだが、それでもたちどころに二人のキャラクターが頭の中に立ち上ってくる。
赤ん坊の時にコインロッカーに捨てられていたという七凪の設定は小説ではありがちだけども、亡くなった父の残留思念と母親の愛情の力によってこの世に生を受けたと言う清花の設定は、思わず「そんなのアリ?」と最初は思った。
そのあたりは1巻目で詳しく語られているのだろうが、少なくとも2巻目では普通の人間の女の子とほとんど変わりなくて……というか、生まれつき持っている霊能力よりも、親の愛情をたっぷり受けて育ったからこそ持ち得た強い魂が最大の武器だということが印象的だった。
舞台が平安朝ということで、鬼や精霊も活躍する。鬼はもちろん敵役としてあくまでも不気味で哀れな姿をさらけ出し、精霊は頼もしい味方として暴れ回る。砂河童の沙(いさき)と風の精霊四風(よもかぜ)が生き生きとしてもう可愛らしいくて。可愛いくせに齢は1000年を越え、水や風を自在に操り、あまつさえ天皇を人間の中でも古い付き合いだからと「天ちゃん」と親しげに呼ぶふてぶてしさも好き。この二人、清花の助っ人としてこれからも活躍してくれないかなぁ。

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