4121019865 科学の世界と心の哲学―心は科学で解明できるか (中公新書)
中央公論新社 2009-02

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タイトルを見た時の予想に反してというか何というか……デカルト入門のような本だった。
前フリとしてアリストテレスやガリレオ、ニュートンにも言及があり、「これは科学史の教科書か?」と思うことも多々あったけれども、決して悪いことではなく、過去の思想を辿った上で「我思う、ゆえに我あり」の真の意味が解説され、デカルトの思想の本質が分かりやすく紹介されていたという意味でお得な読書。


いや本当に、デカルトという哲学者/科学者は凄いらしいということがよくわかった。その思想には教科書でちらりと読んだときには想像もつかなかった深みと強靭さがある。
物質と魂をきっちり分けて追究し、しかも魂の出所を決して神に帰さない。物質についてはあくまでも科学的、数値化できるものとして扱う一方で、魂は直観的にしか扱えないと見抜き、どんな批判を浴びようともその態度を貫いている。
そして、明らかに正しいと思われる論理さえも疑うことの出来る自我が自由意志なのだという態度。すごいなぁ。
スピノザやライプニッツなど、他の学者の足跡もたどりつつ、結局、現在の科学が取っている数量化のアプローチでは心の解析は不可能だという結論に落ち着く。そんなのわかりきったことじゃないかと言うのは簡単だが、論理的に証明しようとすると大変な作業になるのだ。

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