4046310200 恋する新選組(1) (角川つばさ文庫)
角川グループパブリッシング 2009-04-15

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悲壮さが漂う前、青春真っ盛りだったころの新選組の物語。
主人公は、近藤勇の実家である宮川家の前に捨てられていたという架空の女の子、空。
彼女の目を通じて、若き新選組のメンバーや彼らとかかわった幕末の志士たち、例えば坂本龍馬や岡田以蔵らが描かれる。三巻シリーズで、この第一巻では、新選組が結成されて京都へ旅立つまで。


この物語の魅力はなんといっても、キャラクターが生き生きと、まるで目の前に飛び出してきて動いているかのように描かれていること。空でなくても惚れます。(誰に? それは内緒)
特に岡田以蔵と坂本龍馬の幼なじみコンビは、友情の深さ、切なさがすごく胸に染みいる。
それに加えて興味深かったのは、教科書でしか知らなかった歴史的史実を、空といっしょに追体験できること。
空が偶然生麦事件とニアミスするくだりがあるのだけど、キャラクター同士の会話、周りの人々の反応などの描写があることで、どんな社会背景があって、なぜそれほど衝撃的だったかがよくわかる。
攘夷志士たちの動きについてもそう。黒船事件や開国の話を授業で習うだけではピンと来ないが、列強国がいかに虎視眈々と日本を狙っていたかという当時の危機感の強さ、危機感ゆえに行動を起こさざるを得なかった人々がいたことなど、こうした物語を通じてようやく腑に落ちた気がする。
これはやっぱり小学生の子たちに読んで欲しいな。

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