4834006204 菜の子先生がやってきた!―学校ふしぎ案内 つむじ風の一学期 (福音館創作童話シリーズ)
YUJI
福音館書店 2003-05-01

by G-Tools

昨秋のこと、近所の図書館で、作者の富安陽子さんの講演会があって、その時に購入した本。
この物語を一言で表すなら、メアリーポピンズ・イン・ジャパン。白衣をふわりとバルーンのようにふくらませながら空から降りてくる描写は絶対狙ってますよね、富安先生? と問いかけたくなるほど。


どこかの学校に必ずいて、運がいいと出会えるという山田菜の子先生。ちょっと困ったことを抱えた子たちの前に現れては、不思議な世界をちらりと見せて消えてゆく。子どもたちは不思議な世界にとまどいながらも、そこから戻ってくると、ちゃんと困ったことにも対処できるようになっているという夢のようなお話。
でも、それは大きなマジックではなく、少しだけプリズムの角度を変えて壁に虹を映し出すような種類のマジックなのだ。子どもたちの隠れた力をちょっとだけ引き出してあげるような。
短編連作形式で、話がひとつ終わるごとに、季節が春から夏へと少しずつ移り変わってゆく。そして不思議世界はどんどんダイナミックになって、しまいには宇宙まで登場してしまう。菜の子先生の世界に巻き込まれ、心がふわーっと気持ちよく広がって、元に戻ってきたときには、以前と少しだけ違う自分になっている不思議。ファンタジーの基本て、ここにあるんだよね。
各章のタイトルは次の通り
・春休みのかくれんぼ(春休みに転校してきたばかりで、期待と不安の中にいる研人くんの話)
・飼育当番の冒険(ウサギのお世話でへろへろになってしまった茜ちゃんの話)
・忘れ物の迷宮(三日連続で計算ドリルを置き忘れ、ついに学校へ取りに行かされた喬くんの話)
・水泳記録会の奇跡(水泳が大の苦手な智子ちゃんの話)
・理科実験の魔法(担任の先生がお休みでまる一日自習になってしまった三年三組のお話)

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