4037270706 雨ふり花さいた
末吉 暁子
偕成社 1998-04

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以前、NHK教育で「ざわざわ森のがんこちゃん」が低学年向け道徳番組として放送されていたが、その原作者が末吉さん。娘が小さかった時に良く見ていて、結構気に入っていた番組だった。
昔、末吉さんの講演会を聞きに行ったことがあって、その時に「思い入れのある作品」として言及されたのがこの本だった。
舞台は遠野、「雨ふり花」とはホタルブクロのことで、飢饉の年は、この花が咲く季節が飢えのピークなのだという。姥捨て野に骸が並ぶ季節。
数多の言い伝えを持つ土地で、座敷わらし茶々丸と12歳の女の子ユカが出会って生まれた物語。


……じゃなくて、茶々丸が持っていた物語とユカがそれと知らず背負っていた物語が交錯して、ひとつの織物ができあがる物語。織物というのはもちろん比喩で、二人が持ち寄った断片が合わさって一つの命の流れが明らかになる、という具合。あんまり書くとネタバレしすぎて面白くないのでこの辺で切り上げ。
茶々丸の台詞が、どうしてもドラゴンボールの悟空の声で聞こえてしまうのはどうしてだろう。たぶん、茶々丸の東北弁とサイヤ人訛りがそっくりだから。そしてキャラ的にもなぜかかぶるのよねぇ……。すると花坊カッパがチチに見えてくるから面白い。
最後、何もかもが明らかになって、誰もがハッピーな結末を迎える大団円で終わるのだけど、なんかディズニーっぽいエンディングだったな、と思う。個人的にはもう少し影や不可思議を残したままの方が好み。

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