4591105288 あわてんぼうなお姫さま―7人のプリンセスのお話 (じぶんを見つける物語)
日本児童文芸家協会
ポプラ社 2008-11

by G-Tools

低学年の子どもたちに向けた、お話の宝箱のようなアンソロジー。
ラインナップは次の通り。どれも大人なら数分で読めてしまう長さものばかり。絵本ではないけれど、読み聞かせにも向いていそう。
いじわる姫 <名木田恵子/作|伊東美貴/絵>
あわてんぼうなお姫さま <芝田勝茂/作|千野えなが/絵>
おしゃべりなお姫さま <那須田淳/作|山田花菜/絵>
あばれんぼうのくるん姫 <越水利江子/作|永盛綾子/絵>
糸の国のおこりんぼ姫 <池田美代子/作|山田花菜/絵>
なきむしなお姫さま <たからしげる/作|伊東美貴/絵>
ようこそ、わがままな国へ! <みおちづる/作|武田美穂/絵>
少しでも児童文学の世界に足を突っ込んだことのある人なら「ほお」と唸りたくなるような作家陣。


お話が面白いのはもちろんだけど、「あなたにぴったりのお話は?」とチャートがついていたり「お姫さまタイプ別・ワンポイントアドバイス」なんかついていたりして、まるで商業雑誌のようなノリになっている。
これに対して眉をひそめる人もいるのかもしれないが、私はこういう遊び心は大好きなので、いい年して「わたしはいじわる姫タイプ〜♪」。娘は「あわんてぼう姫タイプ!」などと遊んでしまった。
そこから発展して「一クラスに一人はこういう子がいるよね」などとお姫さまタイプを使って級友を分析するなど、物語が物語として完結するのではなく、現実世界と切り結ぶ道具へと変えてしまうことさえできる。
うん、感動とか教訓とかから離れて、子どもたちは好きなように物語で遊べばいいと思う。そうやっているうちに不条理な現実世界に対抗する力が芽生えたり、内面に自分だけの物語が育ってくることもあるんじゃないだろうか。
この「あわてんぼうなお姫さま」にはいくつか姉妹本があって「はずかしがりやの魔女」「わすれんぼうなコックさん」「こわがりやの忍者」など興味をそそるタイトルがそろっている。素知らぬ顔で家の本棚に置いておけば、子どもがこそーっと手に取ったりするかも。

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