4062611511 霧のむこうのふしぎな町 (子どもの文学傑作選)
柏葉 幸子 竹川 功三郎
講談社 1995-06

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6年生のリサが父に勧められて夏休みに遊びに行った先は不思議な町。地図にはないし、降りた駅で人に聞いてもわからない。でもピエロの傘が導いてくれた奇妙な住人だらけのその町で、リサは最高に充実した夏休みを過ごす。


異世界へとぶ古典的なタイプのファンタジーで、読んでいてすごく安心感がある。
霧の向こうに現れた不思議な町は、変人ばかり住んでいるので「気ちがい通り」などと呼ばれているけど、リサは体当たりで接していって、じきに通りの人すべてと心を開きあう関係になる。その経緯は、適度にハラハラがあって、心地よい面白さがある。作者がその異世界をとても愛していることまで伝わってくる。
リサは定石通り、最初は何も出来ないやわな女の子。でも、強制的に仕事をまかされて無我夢中になってこなす時、「自分の力で何かができる」感覚や、「自分の力が人の役にたっている」手応えを得て、どんどん自立し、たくましくなってゆく。仕事って自尊心につながってるんだな、と、ニートが増えてきた今の時代だから余計に、なるほど、と思わせられる。

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