フレデリック フェイエッド
晶文社
発売日:1988-05-10

ホーボーとは1900年前半のアメリカにおいて、列車に無賃乗車をしては放浪しつつ、働き口を見つけた労働者たちのこと。社会問題になると同時に、文学的考察の対象にもなった。

本書では、三人の作家――年代順に、ジャック・ロンドン、ドス・パソス、ジャック・ケアルックを取り上げ、彼らの代表作を追うことで、ホーボーの扱われ方、存在意義の変化を追う。

最初は資本主義社会が生み出した鬼子的存在として、次は徒党を組んで権力に抗議する存在として語られ、そして実質的なホーボーが消えてしまった1950年代になると、放浪者はひたすら逃げることで社会に抵抗を示す存在になり、ついにはあやしげな仏教の思想まで取り入れ、物質文明を拒否した求道者へと至る。
思うに、彼らがヒッピーへとつながるんだろうな。そしてホールデン・コールフィールドや、シーモア・グラスを生み出すんじゃないだろうか。

いずれにしてもホーボーが浮かび上がらせるのは、アメリカ社会の影の部分。

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