4047102911 2時間で学ぶ原発・電力の大問題 (角川oneテーマ21)
久我 勝利
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-06-10

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3月11日以来、原発事故の状況については、公式発表が二転三転するばかりでなく、ツイッターでは玉石混交の情報が飛び交い、素人はいったい誰を、どんな発言を信じたらよいものか途方にくれるばかりだった。さまざまな噂に振り回された結果、正確な事実を知ることから始めるのがいちばん、と悟った。先入観をとっぱらい、何がどうなっているのかまずは事実を知る。判断はそれから。
とはいうものの、自分の目ですべてを確認するのは難しい。そこでこれは信用できそうだ、という本を手にとって読むことになる。
原発関連の本というと、どうしても推進派か反対派か、とにかくどちらかのバイアスがかかりがちだが、本書はフラットな立場で原発の仕組みや周辺の事情が、とても平易な言い回しで書かれている。電力会社の歴史から、原発とお金の話、原子力発電の基本的な仕組み、これまで起きた原発事故の簡潔な解説などなど、これまでネット上で断片的にしか得られなかった知識がひとつにまとまる。
最後が各種代替エネルギーの紹介で締めくくられていることから、筆者は原発の存続を求めていないことが読み取れるが、それはごく自然な流れで書かれており、押し付けがましくない。

結局、原発を存続することは、コスモクリーナーDでも開発されない限り無理だと思った。放射性廃棄物から放射能を取り除く技術が確立されない限り、どこに埋めようと原発の廃棄物は人間の住む世界を汚染し続ける。
徐々に(古いもの、危険度の高い地域に建つものから順に)原発を止め、それでも生活が成り立つように暮らしも変化させてゆくのが王道なんじゃなかろうか。「変化」の中には代替エネルギーの開発も含まれればエコな生活スタイルへの変化も含まれるし、さらには価値観の変化まで含まれることだろう。

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