知り合いに声をかけて、児童書読書会を始めたのが一年半前。その後おおよそ2ヶ月に1回のペースで続けている。課題本は当たりもあれば反応がイマイチなのもあり、毎回どんなふうに進めたらいいのか試行錯誤。

でもコンセプトは最初から決まっていた。それは、本を読んで語るという行為を通じ、世界の広さ、人の多様さに気づく、ということ。

何も知らなければ、目に映る範囲がその人にとっての世界の限界となるが、さまざまな本を読むことで、自分の世界の外側にさらに広い世界が存在していると知ることができる。一つの本に対して、読み手の数と同じだけ意見や感想があり、それらには優劣がつけられないこと。自分の感想を語り他人のそれに耳を傾けることで、自然にそのことを感じ取れる。こういう経験は若いうちにしておいたほうが良いので、本当は若い子たちを集めてやりたいのだが、ツテがないし、こちらとしても経験を積んでおきたかったので、まずは大人の知り合いから。

しかし、実際にどのくらい効果が出ているのか。なかなかフィードバックを得るのが難しい。

このまま続けていて良いのか悩んでいたところ、読書会のメンバーの一人とサシで会う機会があった。本の話はもちろん、英語の勉強法、読書管理をする便利アプリの話までいろいろ喋り倒してきたのだが、その中で彼女がしみじみと語った。「小説が以前より楽に読めるようになった」「笑われたりすることなく自由に感想が言えて、受け入れてもらえて、読むのが楽しくなった」と。彼女はまだ社会人になって数年しかたっておらず、人生経験を積み過ぎてトウが立ったおばちゃんに比べるとよほど柔らかで素直な感性を持っているからこその変化だと思うが、非常に主催者冥利につきる言葉だった。(主催といっても時間と場所と課題本を決めて連絡を回すだけのことしかしてないが/汗)

と同時に、少し痛ましく思ったのが、例えば英語の勉強であれ、本の感想であれ、何か疑問も抱いてそれを追求しようとすると、怒られたり笑われたり変人扱いされてしまうような環境で教育を受けてきたのだな、ということ。これでは感受性の豊かな子ほど萎縮してしまう。やはり「世界はもっと広くて自由なんだ」と早いうちに知る機会が欲しい。とりあえず一番お金がかからなくて手軽にできるのが読書ということで(SNSはダメですよ、自分の見たい世界しか見えないから)主題が戻ってきておしまい。

広告